愛媛県

愛媛県新居浜市東赤石山赤石鉱山(南稜)

赤石鉱山は、かつてクロム、後に橄欖岩を採掘していた。クロムを胚胎するかんらん岩体は赤石山系の最上部にあるため、鉱山は山頂付近の高所にあった。採掘当時は索道を利用していたが、閉山後の現在、採掘現場へのアプローチは通常の登山と変わらない困難さを伴う。

普通クロム鉱床は、正マグマ鉱床と言って、マグマから鉱物が析出し沈殿する際に、鉱物毎の重さの違いにより有用鉱物が濃集して生成される。当然にクロム鉱体は周囲より重たいので、沈殿する。一方で、紹介する愛媛閃石や菫泥石は組成上、沈殿するはずの無い水を含むため、鉱体形成後の変質作用により生成されたと考えられる。

愛媛閃石

愛媛県新居浜市別子山保土野谷

赤石山系の頂上部には広く上部マントル由来の橄欖岩体が見られる。保土野谷はその東端を出発点とし、銅山川へと注いでいる。橄欖岩体の東端部は、加水変質の痕跡が認められ、有名な菫泥石や磁鉄鉱、かんらん石の自形結晶が産出している。

菫泥石